風のうしろのしあわせの島 ジェームス=クリュス作 国際アンデルセン大賞 講談社 工場

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★昭和44年第一刷発行の大変古い本です。 ★箱の角に経年のスレ有り。 ★本体三方に、薄いシミがやや有り。 ★見開き、本文ページには、ほぼシミ、汚れなく、経年に比してとても綺麗な状態と存じます。  53年の経年、しかも対象は子供、となりますと、これは奇跡的な状態の良さと感じます。本体表紙に押されたアンデルセン大賞のエンブレムも美しく、スレ汚れほぼ無し。美品です。  長年児童書の蒐集を、私の力でできる範囲で続けておりますが、素晴らしい本に限って、中々良い状態のものが無いのです。大体が経過年数40年を過ぎますと、情けない状態が一般的です。  クリュスと言えば、「笑いを売った少年」「ロブスター岩礁の灯台」「パウリーネと風の中の王子」などなど、本国ドイツでは、エーリッヒ•ケストナー、ミヒャエル•エンデと同列に、三大児童文学作家と称される方。  それだけあって、着想の豊かさ、ユーモラスなキャラクター、ひねりの効いた展開、美しい風景描写の沁みること。  子供のみならず大人が読んでも、心にそこはかとなく北海の風が吹くような、凪の海の静かな音が聞こえるような作品なのです。  こちらは、勿論独立した作品としても十分に楽しめますが、出来ましたら「ロブスター岩礁の灯台」から読んで頂きますと、より長く深く楽しめます。  灯台守の老人のもとへ、戦争で追われたユーリエおばさんがボートで避難して来ます。運良く灯台守の友人であるダド船長の「ツィカーデ号」が通りかかり、ユーリエおばさんを乗せてくれます。航海中に、色々あるわけですが、本来の予定地でない「風のうしろのしあわせの島」に着いたところで終わるからです。  クリュス自身が、この「しあわせの島」にとても行きたかったんだな、と分かります。身分の差、貧富の差、弱者強者などの全ての差がなく、全員が等しく、楽しく労働します。明るく思いやりある島民たち。理想だけど、理想であるが故に、皆が持ち続けるべき心とクリュスは訴えています。  最近の研究では、人間は本来、平等が嫌いという調査結果が出たらしいですが。  しあわせの島を覗いてみたい方、探していらした方、是非ご堪能下さい。  長期個人保管の大変古い本です。状態は、上記★書きと、画像よりご判断下さい。  古い本にご理解のある方との、嬉しいご縁を心よりお待ち致しております。

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